コロナ隔離ホテルのWifi環境

現在は新型コロナウィルスの影響で、中国に入境する外国人はすべて14日間、指定ホテルでの隔離が義務付けられています。

本日、上海のホテルで隔離生活を送っているお客様から、PCのシステムが立ち上がらなくなったという連絡がありました。WeChat等で画像を確認しながらまずは復旧ポイントへの復旧を試みましたが、残念ながらこのPCには復旧ポイントが設定されておらず、メニュー中のシステムの初期化を選択せざるを得ませんでした。個人ファイルはすべて残して初期化することができたため、最近のPCには感謝です。

その後、Office365のオンラインインストールを試みましたが、まず最初のセットアップファイル自体のダウンロードが異常に遅い、通常1-2分でダウンロードできるものが30分くらいかかりました。

きけばホテルのWifiは非常に遅いそうで、タスクマネージャーから確認すると、増減はあるものの遅い時は20kbpsぐらいの状況が続くこともありました。Office本体のインストールが開始しても全くパーセンテージが進みません。

おそらく隔離ホテルでだれも外に出られないので、みんな部屋でネットにつないで仕事やらネットサーフィンをしているのでしょう。

夜になっても状況は変わらず、オンラインインストールは進まなかったので、仕方なく急遽探し出したOffice2013の小さなインストーラをダウンロードしてもらうことで対応しました。

これから中国で隔離対応が必要な方は、2週間ネット速度が限定的になる可能性も考慮しておいた方が良いかもしれません。ホテルで外部からの郵送は受け取れる(送るのはダメだったようです)ようですので、4Gの高速なポケットWifiなどを手配するなどの方法もあると思います。

中国版Office365最近のデフォルトではSMTPがDisabledに

どうしてもOutlookが使いにくい状況ですとか、スキャナ機器を簡単に使いたい場合などに、Office365でもSMTP通信が使いたい時があります。

中国版Office365でも以下の設定で利用することができます。

smtp.partner.outlook.cn 587 TLS

これまでは弊社で何十社と導入の際に一部 POP+SMTP や IMAP + SMTP などで問題なく使用できておりました。

ですが先日導入したお客様で、どうしてもSMTPでの認証がうまくいきません。現場で対応していたのが専門ではないエンジニアだったため、Officeを再インストールしたり、ルータの設定を見直したりと、非常にタイトなスケジュールと急いでメールを読みたいお客様の前でだいぶうろたえてしまうことになりました。

こちらの技術チームでも調査したらこのテナントのアカウントでは手元のPCでもSMTPが認証できない。もしやと思いMSDNをしらべて、PowerShell でSMTPの許可設定を調べていたところ、SMTPがテナントレベルで不許可になっていることがわかりました。

SMTPClientAuthenticationDisabled: TRUE

以前はこんなことはなかったため、どうやらVianet21がデフォルトでSMTPをDisabledにしたようです。国際版は最近開通していなのでわかりませんが、このような突然な変更で貴重な時間が失われてしまうのは大変残念なことです。

確かにSMTPはセキュリティ上レガシーですが、まだまだ中国ではFoxMailなどのローカルソフトや、場合によってはOffice2007なども残っていることを考えると、もう少し周知してほしかったなと思います。

以下のコマンドでSMTPをEnableすることで無事SMTPを利用することができました。

なおマイクロソフトでは将来モダン認証のみとしてPOPやIMAPを使用できなくなる方針を打ち出しています。スキャナ機などで使うSMTPに関しては別の救済策を出されるかもしれませんが、いずれ何らかの対策をとる必要があるだろうことは追記しておきます。(Windowsで無料で使えるメールアプリなどは先進認証に対応しているようです)

中国版Office365でもPower Plantform 利用可能に(修正)->Office365に付随はせず

本日、マイクロソフト中国のWeChatオフィシャルアカウントにて、「マイクロソフトPower Platform」が中国市場にて正式に商業利用開始になった、という記事が発信されました。

これまでもマイクロソフトのWeChatアカウントではPowerAppsなどの紹介が幾度となく流れてきていましたが、それらは国際版のOffice365を念頭に置いたものでした。

今回の記事の中では、「世紀互聯の運営による Power AppsとPower Automateは本日中国で正式に市場に投入されてました」と書かれているので、中国版のOffice365で利用できるようになったと考えられるかと思います。

私が先ほど手元にある中国版Office365にログインしてメニューを見たところでは、まだPowerApps等のリンクはありませんでした。

このWeChatの記事の中にも中国版PowerApps のリンクなどはありません。また後程時間のあるときにじっくりと探してみようとおもいます。

現在ではTeamsの方が日系のお客様からはよく質問されますが、それも今回の記事にはありませんでした。ただマイクロソフトがSkype for Business Online のリタイアを計画していることが正式にされている以上、中国のOffice365でもずっとSkype for Business Online がメンテナンスされることは考えにくいでしょうから、いつになるかはわかりませんが時間の問題であるとは思われます。

(以前の記事にも書きましたように、展開方法や時期については全く予測ができませんので、あくまでも参考としてください。)

(2020年6月20日 補足)

1.

中国マイクロソフトに近い筋の人からの話によると、今回のPowerAppsは独立したメニューとしてのみ契約が可能で、Office365に付属して使用できるようにはなっておらず、その計画もないそうです。非常に残念。

2.

powerautomate.cn のアドレスでPowerAutomateの中国版ホームページは確認できましたが、国選択より前に進むことは現状できていません。

Teams へのゲスト追加エラー

現在弊社では香港版Office365のTeamsを使用しているお客様に対して、社内ポータルのシステムから自動的に外部ゲストを追加するシステムを構築しています。

その際に、外部ゲストとして入力するアドレスによって時折内部エラーが表示されるというレポートがあり、調べたところ以下のようなエラーがAzureから返されていました。

The user you’re inviting is from a national cloud. To collaborate with this user, ask them for a different email address associated with a directory in this cloud or create a user account for them in your Azure AD directory.

どうやらこれは、国際版のOffice365に中国版のOffice365のアカウントを追加しようとした際に発生するようです。

海外のフォーラムを検索すると、ドイツのOffice365に登録されているメールアドレスを招待しようとした場合も同様のエラーメッセージが出るようです。

私自身もここ最近は外部ユーザーの追加について詳しく見ていなかったのですが、以前であれば通常は中国Office365ユーザーの場合でも普通にメールアドレスの追加はできて、受取側でこのアドレスは使用できないためにMicrosoft アカウントを使用してくれと言われていたと記憶しています。

もしかしたら、Azure側で「必ず招待されたメールアドレスでログインする」という設定の場合にこのようになるのかもしれません。

細かな検証はできていないのでまた情報があれば追記します。

上海のIT業者

ITメンテナンス自体は広く必要とされている業務であり、上海にも無数のITメンテナンス業者があります。多いのは日本で取引のあるIT業者と上海でも取引している場合を除けば、基本的には総務部や管理部などの現地担当者が知り合いのつてを探してITメンテナンス業者を探すことが多いです。

実際上海のフリーペーパーにもIT業者の広告などはありますがあまり日本人総経理さまが直接関与して業者選定するということが行われてないようでして、弊社でもとくにフリーペーパーでの広告はおこなっておらず、マイクロソフト社の人脈とOffice365のユーザーコミュニティを通じてお客様にアプローチすることが多いです。

とくに拝見するのがネットワーク環境(社内ネットワークや国際ネットワーク)の問題で、実際の所ネットワークの状況が悪くて困っているという声を多く聞きます。というよりもネットワークの状況が良いお客様の方がごく少数です。

地元IT業者の品質に対する考え方は本当にバラバラで、とくにPCを格安で販売するような業者などは、無線LANなども特に正しい配線を考えずに設置したり、本来企業では絶対に使ってはいけない小さなスイッチを平気で使っていたりします。(ギガ対応と言われていてもその実全く性能は出ないばかりか、一つあるだけでその配下のみならずオフィス全体に悪影響を及ぼすような状況です。)

ネット配線など簡単なことのように思われますが、2-3台のPCやスマホをWifiでつなげている自宅などと違って、数十台の接続されるネットワークを正しく配線するには思った以上に正しいやりかたでないと日常業務に影響を及ぼしてしまいますが、その正しい配線というのができない業者が非常に多いのが現状です。面倒なことに、そのような問題に面していたとしても、総務の担当者はIT業者は調査をしているというばかりで、IT業者そのものの技術力の問題とは認識できずに、何が悪いのかわからないままだらだらと放置してしまうことが大変多いのです。

弊社はもともとは中国電信とMikrotikルータのネットワークの普及を強みにしており、その後にOffice365をさらに上海企業のIT化に寄与するためのツールとしてサポートの中心に据えております。少しでも多くの日系企業様が、本当に正しいネットワーク環境に移行して、なおかつOffice365を利用してスムーズな業務環境ができるように努めていかなければと思っています。

Office365 中国版の制限の最近について

ここ最近、2件ほどOffice365の中国版を検討している、または導入を決めたお客様に対応しました。

そこで話題によく上がるのが、マイクロソフトのホームページ上で説明されている、現在中国版で提供されていない国際版の機能の「提供準備中」の意味です。

2-3年前まではたしかに国際版の機能が少し遅れて中国版にも提供されるという流れがありましたが、現在はこのような状況は全く当てはまらず、「提供準備中」というのは全く計画は白紙であるととらえていただいた方がいいようです。

中国版で使えない主な機能

Azure Information Protection

こちらは非常に有用な機能ですので、中国版で使えないことが大変残念です。ファイル閲覧の監査用の記録、およびRMSによるファイルの持ち出し制限などがこのAIPでできますが中国版ではどちらも実現不可能です。(以前あったサードパーティのRMSサービスも終了しました。)

Teams

まず共有カレンダーなどのコラボレーション機能については、あまり国際版でも活用されているお客様は多くないですので、弊社でもTeams が使用できないことを大きなデメリットとはとらえておりません。ある程度工夫すれば同様のことはOffice365 グループでも可能です。(Skype for Business の代替機能部分が使いやすいというウワサもきいておりますが。。。)

PowerApps & Flow

こちらに関しても、企業内Workflowの機能として使うのはまだ不十分ですので、とくに問題になるとは考えております。外資系のお客様で、国際版を使用しているのでFlowで開発してほしいという要望はたまにありますが、基本的には弊社ではSharepoint 上での開発の方を主としておすすめしています。


既存の機能は安定していますし、接続スピードでは圧倒的に中国版の方が有利です。また国内情勢等さまざまな状況による変化のことも考慮して中国版を選ばれるお客様も少なくありません。

また、Sharepointそのものの開発手法などは国際版と同じですので、既存の機能でまずは問題ないお客様は中国版を使用することで全く問題ありません。その場合でも未提供の国際版の機能に関して、「提供準備中」というステータスのものにかんしては、無いものと考えて導入を進めていただければと思います。

Sharepoint の活用は開発手法の選定が重要

Office365を導入したお客様から、次に要望として挙がるのがSharepointの活用です。

弊社でもさまざまな方法でSharepointの活用・構築を提供してきました。下記の2つの他にもさまざまな開発手法があり、その都度適したものを選定する方法があります。

1.すでにある休暇管理システムを Sharepoint Online 上で再構築したいお客様

このお客様の場合は数年前に構築した休暇管理システムを、システムおよびサーバーの老朽化に伴ってSharepoint上で再構築するという要求でした。

この場合にすでにあるシステムと操作性を完全に合わせることが要求でしたので、画面開発に自由のきく Sharepoint Provider-Hosted アドインを使用して構築しました。

このProvider-Hostedアドインですが、開発の効率、それからインストール・メンテナンスについても思った以上の工数がかかるので大変です。ただしC#を使った開発なので、コードが他の案件やオンプレミスの案件に流用できそうなことは利点になります

2.Sharepoint Onlineで社内ポータルを構築し、スマホでも閲覧できるようにしたいお客様

まずは社内ポータルの構築(intramartからの移行)ですが、特に事前にSharepoint iOS App/Android App がアプリストアからダウンロードできることをお客様が調べており、このアプリにも対応した方式での構築を依頼されました。

いろいろ試したところ、このSharepoint アプリで閲覧できるようにするためにはモダンページを使用して構築する必要があり、そのモダンページをカスタマイズするにはSharepoint Framework を使用する必要がありました。

そのため、このSharepoint Frameworkを使用してポータルを行使地区したのですが、

  1. 開発環境の準備に大変時間がかかる&失敗することも頻発(特に中国のネットワークからではうまくツールをダウンロードできないことも多発)
  2. こまかな変更でもアプリの発行とCDNファイルのコピー、パッケージの再インストールが必要になり手間となる
  3. カスタマイズ内容はページの読み込みの後半に行われるため、全体に施したデザインなどが秒単位で遅れて変更されるのが美しくない

とデメリットを上げればきりがないのですが、ただしもしこの方式を使用しない場合、Microsoft社製のiOS App/Android Appは利用できず、基本的にはスマホからもブラウザを利用してのポータル閲覧となります。

そうすると頻繁にIDとパスワードの入力を求められることになり、結果としてポータルが利用されなくなるという状態にもなります

逆にSharepoint Appであればスマホの中に明確なアプリの入り口ができあがり、基本的には長期間パスワードも求められず気軽に閲覧できるので、たくさん社員に見てもらうという目的を達成するうえでは、正しい選択だったのではと思います。

3. オンプレミスの Sharepoint 2016 で文書承認および文書管理システムを構築したいお客様

オンプレミスではさまざまな伝統的な開発手法も選択できますが、弊社はOffice365 にも注力しておりますので、Sharepoint Onlineにも流用できる開発手法を取り入れています。

上記のProvider-Hostedでは大変開発コストがかかりますので、Provider Hostedで作成したCodeを流用しつつ、UI部分はSharepoint DesignerにてカスタムのHtmlをSharepoint上で運用することとしました。

  • UI部分:Sharepoint上に Html + JS + CSS を配置して、Webパーツページ上にページビューワWebパーツから読み込む
  • サーバー部分:サーバー上にIIS上で別サイトを運用し、管理者アカウントにてCSOMコードを実行してサーバー側処理を行う

この方法の場合ですと、実行したユーザーの権限でサーバーコードを動かすことはできませんが、上記の1番の開発の際でも最終的にはユーザー権限でコードを動かす部分がなかった(すべて特権に昇格して動かすことになった)ということで、結果的にこのような方法でも大丈夫かと思います。

中国でのOffice365会議室管理システムも万聯で

会議室の空き状況がわかりにくい、会議室が予約されていても使われずに放置されていることが多い、など会議室の管理には様々な課題があります。

弊社上海万聯(ばんれん)では、「会議室パートナー for Office 365」という名前で、Office365の会議室情報と連動したWeb、およびタブレットソリューションを提供しています。

日本には同様のソリューションも多数ありますが、弊社のソリューションには大きく2つの異なる特徴があります

  1. Office365国際版・中国版の両方に対応
  2. 日本語・英語・中国語のインタフェースに対応

その他の特徴は他製品とほぼ変わりません(下記参照)
中国でOffice365導入、または会議室利用の改善をお考えの方は、ぜひ上海万聯にご用命ください。

 

会議室パートナー for Office 365 主な機能(Web版)

会议室伙伴 for Office365

会議室パートナー for Office 365 主な機能(タブレット版)

  1. Office365 Exchange 国際版、中国版両方に対応
  2. 日本語・英語・中国語に対応
  3. 当日の予約情報を確認(予約時間,タイトル,予約者)
  4. 複数の会議室の予約情報を確認
  5. 会議室の状況を表示(予約中、空き、使用中など)
  6. 会議室が開いているときはその場で予約を作成する
  7. 一定時間会議が開始されない場合は予約の自動削除
  8. 予約終了時間より早く終了した際は予約の自動開放

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中国で海外とのメールが届かない事例が多発

最近上海で対応したお客様では、中国で海外とのメールが届かない、受け取れないという事例が多発しているという事例がありました。

ご存知の通りビジネス交流の急増に伴って、中国のネット環境は中国国内では大変優秀であるものの、海外とのやり取りに関しては時折問題が出る状況が続いております。ただメール取り扱い各社によってさまざまなノウハウがあり、またトラブルに対する対応方法によってもばらつきがあります。

メールは、使えて当たり前であると同時に、不具合が出ると途端に混乱してしまう大切なツールですので、コストをある程度かけても品質の高いメールサービスを利用することは、中国でのビジネスをスムーズに運営する上で大変重要な選択になります。

上海万聯では中国におけるメールサービスとしてマイクロソフト社のOffice365(中国版または国際版)をおすすめしております。移行に伴う設定設置の手間、各PCの状況の整理や使用者とのコミュニケーションなど、豊富なノウハウで上海および中国のお客様を支援しております。

中国でもOffice365 国際版を選択するお客様が増加

弊社では中国でOffice365を導入する際は、訪問スピード等の観点からまずは中国版をおすすめしてはいますが、その後国際版と比較検討いただいた結果、最近では国際版を選択するお客様も増えてきております。

中国版Office365のデメリットとしては、Teams等のツールがまだ使えない、日本本社とゲストとして共有する際に、中国版のOffice365アカウントに対して招待できない、Skypeでテナント同士の信頼関係で通信できない、などがあげられます。

ですが、お客様によっては、なによりも海外とのメールのやり取りがスムーズにできること、そしてなるべくスムーズに切り替えられることを重要視して中国版を選択されることもあります。

中国でどちらのOffice365を選択すべきか迷われているお客様は、一度弊社までご連絡ください。

弊社では香港万聯を経由して国際版Office365 も正規取り扱いしておりますので、中国拠点で香港版を契約していただくことが可能です。(人民元でお支払いいただく場合は関税取り扱い手数料をいただいております。)