Office365をWeChatと組み合わせる

微信(WeChat)とOffice365を組み合わせる方法をマイクロソフト中国が提供しています。

現在の企業システムにはモバイル対応が欠かせず、成長企業の多い中国ではなおさらですが、Office365の提供するモバイル体験はもともと限定的でした。

そこでマイクロソフト中国は中国で大変普及しているチャットアプリ WeChatとOffice365を組み合わせるソリューションを開発して提供しています。

具体的にはWeChat の機能の一つであるWeChat企業アカウントとOffice365のテナントを関連付けて、WeChat上からOffice365 を経由して会社の情報を閲覧することができるようになります。

この機能は中国版Office365とグローバル版Office365の両方で利用可能です。

弊社上海万聯でもこのWeChat – Office365ソリューションのコンサルティング・開通・トレーニングなど提供しております。お気軽にお問合せください。

グローバル版Office365と中国版Office365の相互アクセスについて

マイクロソフト中国では、多国籍企業のお客様にもより便利に中国版Office365を利用してもらうため、グローバル版のOffice365との連携について開発を進めています。

社内に国際回線を用いたADがあり、海外、国内ともにADとのフェデレーションを実施している場合、現在はOneDrive および Sharepoint の内部ユーザーとしての権限の付与、Sharepoint権限の統一管理、Exchangeコンタクトの統一化が実現できます。

残念ながら最も望まれている同一メールドメインでの使用については、まだ実現できていません。マイクロソフト中国では継続的に実現に向けて開発を進めていますので、最新の情報にご注目ください。

Office365とPOPメールのハイブリッド移行

オンプレミスのExchangeとクラウドのExchange をハイブリッド移行するためには、Microsoftの提供する Exchangeサーバーを中間に追加してHybrid機能を追加する方法があります。

その他にもメールサーバーの転送機能を工夫することで、既存のPOPサーバーからハイブリッド移行(ステージング移行)することも可能です。弊社万聯でも中国全国に拠点とユーザーを持つお客様で、既存のPOPサーバーからハイブリッドで移行しました。

具体的には事前に十分にステージングのスケジュールをしたのち、MXをExchange Online に切り替えすべてのお客様はExchange Online側でグループ化して、メールをPOPサーバーに転送します。そしてお客様のOutlookの設定が完了したグループを順に転送から外していきます。

この場合問題になるのが内部での送信の場合で、移行していないユーザーが旧設定のサーバーのSMTPを使用して移行済みのユーザーにメールを送信する場合、メールサーバーは外部のMXではなく自サーバーが当該ドメインのメールサーバーと認識してしまうため、Exchange Onlineに配送されないという問題が発生しました。そのため本件では、移行が完了したユーザーを今度はPOPサーバー側でExchange Online に転送するという設定を追加しました。この場合ループが発生しないように設定の順番は慎重に行う必要があります。

結果的に本件は移行中はとても忙しいプロジェクトとなりましたが、お客様への負担を最小化するための様々な移行方法を弊社では実施しています。

Office365の成功はコラボレーションがカギです

Office365は多くの企業様がまずはメールの移行のために使用を開始しています。Office365がベースとするExchange Onlineは、安定したバックボーン、中国国内外でのメールの不達への高品質な対応など、クラウドメールソリューションとしても他社とは比較にならないほどの優秀な性質を備えています。

ですがメールだけでは263企業通信やビジネスQQメールなど、他のソリューションもありますよね。わざわざ高級なOffice365を利用するからには、メール以外の機能を使いこなして企業のコラボレーションを促進したいものです。

いろいろなアプローチが考えられます。

  1. トレーニングを通じてOffice365の機能をより使いこなす
  2. Office365の設定や活用をIT担当者がよりプロフェッショナルに行う
  3. Office365のデータを使って、より高機能な企業内システムを開発する

これらは企業のITサービスとサポート体制に応じて段階的に進めていければいいと思います。

弊社上海万聯ではさまざまな段階に応じたOffice365の有効活用をお手伝いしております。コラボレーションに関しては、企業内のプロジェクトやチームワーキングをよく理解した専任のトレーニングスタッフが、御社の実情に即した利用トレーニングを提供しております。ぜひご相談ください。

中国Office365のモバイルアプリ対応について

Office365の機能と対応状況は日々変化します。またAndroid のバージョン、iOSのバージョン、アプリのバージョンなど様々な要因によって異なる挙動をします。最新情報は世紀互聯または中国マイクロソフトまでお問合せください。

大切なことは企業のITサポートチームが、社内でのモバイルアプリ利用のどこまでをサポートするかのポリシーを意識して、優先的に検証していくことだと思います。

Outlook

メールアドレスとパスワードを入力することで問題なく対応しますが、一度で成功しないことがあるので何度かトライする必要があります。メールを読むという目的であれば iOS または Android に付属するメール機能でExchangeを選択する方が安定しています。

Outlook Group

テナントによっては動作するという情報がありますが、弊社の中国版Offic365のお客様ではまだOutlook Groupで動作確認がとれた例がありません。

OneDrive

アカウントの追加の際に中国版Office365のアカウントとパスワードを入力することで問題なく利用できます。

Office Mobile

アカウントを入力することでOneDrive for Business のドキュメントを読み取って閲覧・修正することができます。中国版Office365でも動作します。

OneNote Mobile

最初にOffice365ではなくマイクロソフトアカウントでログインすることが求められます。そのマイクロソフトアカウントにて過去にOffice365上のOneNoteを閲覧した履歴があれば、その履歴からOffice365上のOneNoteを開くことができます。(ただしマイクロソフトアカウントから履歴を取る部分で、ネットワーク的にうまく接続できないことが多々あります。)

 

 

中国のOffice365は別会社の運営です

中国のOffice365は、中国マイクロソフトからライセンスを受けた別会社が運営しています。

中国政府のクラウドサービスの健全運営に関する管理規制に対応するため、中国のOffice365はマイクロソフトではなく、マイクロソフトとパートナーシップを結んでいる世紀互聯という会社が運営しています。実際はマイクソフト中国が厳しくサービス内容および品質を管理しており、セールス、プロモーション、コンサルティングのすべてにおいて中国マイクロソフトが積極的に展開しています。

日本を含めた中国以外のOffice365(中国からはグローバル版Office365 などと呼びます)に関しては全世界で同じサービス内容、体制で運営されており、データセンターのロケーションは日本、香港、アメリカなど各地あるものの、基本的には場所を意識しないで使用できます。

一方で中国版のOffice365に関してはデータセンターは北京と上海に置かれ、グローバル版とのOffice365とは別の空間(例えば後ろにあるAzureの認証システムなども含めて)で運営されています。

基本的なサービス内容や使用方法は同じなのですが、Office365の新しい機能の追加速度や、Apple StoreなどからダウンロードできるOffice365関連アプリの対応度合いなどが異なっています。

一番私たちの日常にかかわる電話等のサービス体制に関しては、さすがにマイクロソフト中国が厳しくサービスレベルを管理しているだけあって、他の中国のサービスとは全く異なる充実したサービス対応だと感じます。

中国の企業でもグローバル版Office365を利用することができ、通常は香港のデータセンターが割り当てられるので、そこそこのパフォーマンスで利用することができますが、Skype for Businessのビデオ会議などを考えると最適ではないため、中国のお客様、特に外資系のお客様はグローバル版と中国版の選択で悩ましい点もあります。

弊社上海万聯では中国版、香港版両方で正式な代理店契約を持っており、対応が可能です。ご検討中のお客様はぜひご相談ください。